みねちんにっき(仮)

はてダにあった日記を移動しました(仮)

万年筆をペンクリニックに出してみた

どれだけいるかわからない万年筆愛好家の皆様こんばんは。
最近、書き味が悪い、何か調子が悪いとお困りではありませんか?
実は私も愛用の1本があるのですが、最近どうも、書くときに引っかかるような感触が出てきて気持ちよくなめらかに書けず、ずっと困っておりました。


といいますのは、私の使っている万年筆は、大手メーカーのものではないのですね。
Wikipediaの万年筆の項目だと、手作り・ショップブランドメーカーに入るものでして。
そもそも、なんとなく気まぐれを起こし「万年筆って憧れだよね−」とか言いながらwebさーふぃん(死語か?)していたら、なんだかよさそうで且つ私にも買えるお値段のものが某ECサイトにありまして。
うっかりぽちってみたらばこれがなかなか気に入って手放せなくなったというだけなのです。


つまり、万年筆には全く詳しくないので、調子が悪いときはどうしたらいいのかわからない。
webをみればお店で調整を頼むとありますが、違うメーカー・販売店のものをもちこんだら、迷惑なんじゃないかとか考えてしまうわけです。


もちろん、通販で使ったお店は「アフターサービスはいつでもお請けします」と言ってくれたし
実際に蓋を強く閉めすぎたときに(何)お送りしてはずしていただいたこともありますけど、
(送料は自腹でした。修理手数料はそのとき無料でした)
書き味がなんとなく調子悪い、というだけで、全く書けないわけではなかったですし
購入してからもう数年たっているので、ちょっとまたお願いするのに躊躇していたわけです。


で、ある日。
そういえば万年筆調子悪いんだよなぁと思い出した私は、ふと、ついったーで何気なく呟いたわけです。

http://twitter.com/minechin/status/3444716434

ネット通販で買った万年筆の書き味がちょっとおかしいかなと思うので調整したいけど、どこにもちこんでいいかよくわからなくて数ヶ月放置中。

そしたら、なんとお返事が。

http://twitter.com/rose_m/status/3444800883

@minechin これこれ。http://www.sailor.co.jp/NEWS/event/index.html

この@rose_mとは誰あろう、少女漫画でミステリといえばの野間美由紀先生でございます。「パズルゲーム☆はいすくーる」大好きでした〜。漫画ならではの何でもありな高校という設定も楽しかったし、その舞台せましと暴れ回る(違)ミステリ研究会の面々、敵役の生徒会長も楽しかった……会長イイヨ会長、子供の話とかコンゲームとか……。実は先日の便乗企画:みねち版オールタイム漫画100選 - みねちんにっきにもこそっと他の白泉社作品と共にいれさせていただきましたっけ。今度ベスト版が出るとか……新しいシリーズも出てるとか……。ううむ、ひさしぶりに……。


……って、ええと、こほん。万年筆の話です。


教えていただいたサイトというのが、国産万年筆メーカーのセーラーがやっている、ペンクリニックというイベントのものでした。
http://www.sailor.co.jp/NEWS/event/index.html

引き出しの奥で眠っている万年筆はありませんか?気に入っていたのに書けなくなってしまった万年筆はありませんか?
セーラー・ペンクリニックでは、全国各地を回って、そんな万年筆の修理を承っています。
(中略)
■混雑時はお一人様1本までとさせて頂きます。
■部品交換には実費を頂戴致します。
■国産・舶来メーカーは問いません。但しモンブランの修理につきましてはメーカー対応となりますので筆記具売場までご相談下さい。
(後略)

”メーカーを問わない”……!ここにおめめがきらりんっと光ったわけです。これだ!と。
開催日程を見ると、ほぼ各週末ごとに日本中のどこかでやっている。特に東京はやはり率が多い。
これなら私でも行けそう、と握り拳したわけです。


ちなみにこのとき、野間先生からもうひとつアドバイスをいただきました。
http://twitter.com/rose_m/status/3444894190

@minechin ペンドクターは人気があるので、なるべく早めに行って整理券をゲットしてください。間違いなくスラスラ書けるようになりますよ。(^^)

というわけで、善は急げと、昨日8/28の昼頃、開催店の銀座伊東屋をめざしました。


本店入り口を入ってすぐ、階段を上ったあたりが万年筆のコーナーなのですが、こちらの片隅に、机を前に白衣の初老の男性が座り、拡大鏡やタオルを手に、なにやら作業に熱中されているご様子。
これが、セーラーのページにも写真のある、ペンドクターの川口さんでした。


近くにいた女性の店員さんに促され、用紙に名前と万年筆のメーカー、困っているところを書いて、受け付け終了。
あまり待たないで済みそうということで、机のそばでぼへーっと作業の様子を見ながら待っていると、先の番号のひとたちがことごとく席を外しており、あっという間に私の順番が来ました。


あらためて、どういうことで困っているかと聞かれ「書いていて引っかかるようになっちゃったんですけど……」といいながら万年筆のキャップをとって差し出します。
ペンドクターはちらりとみやり、「あ、ペン先がずれてるね」と呟くが早いか、きゅきゅっとペン先を抜いて、先っぽの部分を拡大鏡で覗き込み、……こしょこしょと調整をはじめます。
「あ、インクが入ったままなんですけど大丈夫でしょうか」
私があわてて声をかけると、「大丈夫」と、とっくに作業に集中している熟練の職人さんの声が答えます。
ペン先なんてちいさなものを繊細に扱っているのが少し不思議なくらい、節くれ立った手。
インクのしみが印象的でした。


職人技に見とれ、(手元の写真撮らせてくださいってお願いしようかな……)などとぼんやり私が考えていると。
「はい」と万年筆を渡してくれます。


……えええ?!もう?!2分くらいしか経ってないじゃん!!!


あわてて、手元にあったメモ帳に書いてみると、……たしかに、買ったときのなめらかさが復活してます!
思わず、なおったなおったと喜んでしまい、受付のお姉さんに(生)暖かく微笑まれてしまいました……orz
受付の控え用紙にペンドクターのはんこをいただき、あっという間に、ペンクリニック体験は終了しました。


ちなみに、調整依頼の方はそれこそひっきりなしに来ていました。これは確かに、時間と日付によっては順番待ちに時間がかかりそうという感じです。私は平日の昼だったし、やっかいな調整が必要な方が前にいらっしゃらなかったのだろうし、ほとんど待たなかったのは運がよかったのかなという感じです。
ですので、もしペンクリニックに行こうと思われた方は、余裕を持って、早めに行くことをオススメします。




写真はエントリ用に先ほど撮ったもの。ペンクリニック受付用紙の控えと調整してもらった万年筆です。
「ありがとうございました!」はもちろん、調整後の万年筆で書きました。


調整がおわったのが嬉しくてついったーで報告すると、野間先生がレスしてくださいました。
http://twitter.com/minechin/status/3594778838

万年筆、ペン先がずれてたそう。ものの数分で完治!

http://twitter.com/rose_m/status/3594898686

@minechin 良かったですね!(^^)


あー、ついったーっていいなー、と思いながら、やはり野間先生のブログで知った銀座の某お店へ、ランチに向かったみねちでございました。これも美味しかったなー!


追記。
今、見直してみたところ、先生ご自身のブログでもペンクリニックのことを書かれていたので、リンクしておきます。
Miyuki's Diary: 祖父にもらった万年筆
Miyuki's Diary: バッグ見つけました!
誰かからもらった万年筆、しかもそれがお祖父さまというのは、いい話だなぁ……。