みねちんにっき(仮)

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五右衛門ロックその後の雑記

仕事中に五右衛門ロックのCD聞きながら。
前の書き漏らしも少し。
(「五右衛門ロック」 - みねちんにっき http://d.hatena.ne.jp/minechi_n/20080726/1217063334


セット、というか舞台上の仕掛けはシンプルな気がした。フライングを盛り上げるところじゃなくてOPとEDで使ったりとか、二重の回り舞台(しかもせり上がり付き!)をやはりEDで使うとかね。朧のときの、舞台上に滝を作るとかそういうのではないですが、その分役者の肉体、というか、熱気みたいなものに語らせていた気がしたかな。
木々や波のセットが右に左に移動して、幕の代わりをしてた。公開リハではこれが主役にあたって事故になっちゃったわけだけれど……でも、幕を下ろさない、完全に暗転させないのに(暗転させると意識が途切れるよね、見ている側として、現実に戻るかんじ)ちゃんとセットを変えていてる。野田みたいな、シンプルな舞台に小物と役者の肉体と観客の想像力をうまく補完して場面転換をするのもすごいと思うし大好きだけど、そういう演劇的な方法でなく、ある意味真っ向勝負、スタッフ・裏方の努力で乗り越えて見せるのもすごいと思うんだよねぇ。
衣装は小峰リリーさん。赤と黒のタタラ軍、白と緑のバラバ軍、暖かい色調とラインと切替のデザインで色使いこそバラバラなのに不思議に統一感のあったホッタル族。小峰さんの衣装はいつもどこか幻想を誘うなぁ、と思う。強くてあかるくてどこかすぱっと、きりっと、役者を立たせるって感じがする。

「お色気歌合戦」の後の台詞。


「可愛くない女だね」
「女に可愛いって思われるほど、落ちぶれたかぁないからね」
「なるほどね、それは同感だわ」

ぐはー。かっこよすぎるよ!中島かずきさん素敵すぐる!
ある意味でダブルヒロイン、五右衛門とクガイというふたりの男と関係のある女二人。『女は競ってこそ花』とはよく言ったもんで。でも認め合ってる。自分が惚れた男がいい男だっていう誇りがあるからこそ、その男にまた惚れた相手を「こいつ見る目があるな」ってにやっとする感じ、かな。並の女を相手にしない男だってわかってるからでもありそう。
敵、ライバル、戦友。
このへんのある意味男っぽい、竹を割ったような気持ちいい関係は、中島さんならではだと思う。嬉しい!
このあとの「果てしなき戦い」の歌詞もかっこいいんだよなぁ。森雪乃丞さんGJだ。中島さんの書く男たちはいつもかっこよくて、何かのために、何かを求めて、何をも省みずに駈けてゆく。その男たちに惚れる女たちもまたかっこよくて、しょうがないなとどこかで苦笑しながら、そういう男に惚れた自分をあきらめながら誇りながら、一緒に走っていくことに命を燃やしていく――なんてね。それをうまく掬い上げてくれた歌詞だと思ってしみじみした。
役者さんはもちろん素敵なんだけれど、彼らにこういう台詞を吐かせ、また歌い上げさせる、ことばの作り手たちもまた、素敵だなぁと思った。


男を生かすために女は生きるよ
褒めて男前があがるのなら愛も嘘もあげるわ
男を生かすために女は生きるよ
触れば胸の傷が薔薇に変わる 蜜も毒もあげるよ

かっこつけた男たちが時代を築いてきた
無茶な夢 承知で 命賭けるのが男
かっこつけた男たちが未来を守ってゆく
そうだよね 五右衛門 あんたならきっとやれるさ       作詞:森雪乃丞