みねちんにっき(仮)

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You are so beautiful to me.(再掲)

(これは2005年04月にmixiで掲載した日記の再掲です。)


ある小説を読んでいたら、世界最高と評される芸術家が、ごくごく少数の人に「あなたの芸はあさましい」と指摘される、というシーンがあって… まぁ、ある理由から内容をぼかしているのでちょっと変な文になっているのはカンベンして下さい…最近「美」とか「芸術」とかそういったものについて考える機会が多いのでふーむ、と思ったのだった。まぁ、その小説は、というか小説家は、多少大仰な描き方をするし、実際その小説はジャンルでわければファンタジーに入るかな、というところなので、その小説についてはおいておいて。


ついこないだまで朝日新聞朝刊で連載していて、結構熱心に読んでいた小説が、大衆に熱狂的に支持されCDは飛ぶように売れたけれどクラシック演奏家としては技法がまるでなっていなかったというある女性の物語だった。
その楽器の演奏方法としてはまるでめちゃくちゃ、本来のその楽器の深みを出せていない、クラシックを学んだものにはとても許容できない演奏。だが、素人受け、という一言では片づけられない、決して媚びているのではない、心揺さぶられる音楽。
それは価値あるものなのか、どうなのか。
(近々刊行すると思いますがこの小説は結構よかったです。
 篠田節子「讃歌」)


わたしゃ例の鑑定番組が大好きである。そりゃもう、初期の頃から見てる。本当の本当にいいものっていうのは、オーラが出てるなぁ、と思う。
今日の出張鑑定はリベンジ大会で、揃いも揃って(当たり前か)たぶん金持ちでおだてにのりやすい、悪徳骨董商にダマされるタイプ。ものを金額でしか見てないんだな、という気がする。本当にきれいなもの、いいものに興味があるわけでは、実はない。○百万、○千万、といわれれば嬉しくなる。○十万、ではがっかりする。たとえ、それが正当な評価であったり、単に買い手がないから値が上がらないものだったとしても。
安いものでも、値段のつかないものでも、面白いものは面白いのになぁ。今日の佐久間象山地震予知機とかw


菅弘江氏の「永遠の森〜博物館惑星」(ハヤカワ文庫)は、美や芸術がテーマの、大変暖かく優しく素晴らしい連作短編集だが(読め!w)、実はもっとも美について問いかけているのは、この短編集に入らなかった最後のひとつ「お代は見てのお帰り」なんじゃないかな、と思ったりする。(「五人姉妹」ハヤカワ文庫所収)なにしろテーマが大道芸、しかも素人の、だもんね。
まぁ、彼女が扱うのは芸術って狭い括りでなく、もっと広く、人の心を揺さぶるもの、といってもいいのかもしれないけれど。


中村勘九郎あらため勘三郎について、某ごにょごにょな場所でいろいろ見てると、まぁ、元からの歌舞伎好きには、芸に品がない、とかいう声もあるってこったな。実際本人の芸風も派手というかけれんたっぷりだし、やることも型破りだし。
それと、このひと以外にもいい芝居をする役者もいろいろいるし、もっと踊りの上手い役者もいるってこともわかる。
で、集客力としてはこの人が今はナンバーワンだということ。




通ならわかる、通だから目が曇る、素人にはわからない、素人だからこそ見える。



うーむ。