みねちんにっき(仮)

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クラシックに興味が無い人のための「ウィーンフィル・ニューイヤーコンサート」のすすめ

とーとつですが、
新年ってやることなかったりしませんか?
1/1の夜、ぽかりと妙に暇な時間が出来たりしませんか?


年末は大掃除だ正月の準備だとせわしなさにおされ、あれもこれもと走り回り、まさに”師走”の言葉を地でいく日々を過ごして、
やっと年が明けて元旦になり、一転してのんびりと、お屠蘇やおせちをいただいたりして正月の雰囲気を楽しんではみたものの、
……かといって半日もたてば”何もない時間”をもてあまし、
暇ついでに何か面白い番組を……と思っても、特にこれといってぴんと来るモノがない。


ヒマーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

と、おこたの中でつい呟いてしまうあなた。
どうせなら、せっかくの貴重な”暇”を、ゆったりたっぷりと味わってみませんか?


というわけで、私がおすすめする番組が、毎年NHKが1/1夜に放映するウィーンフィル・ニューイヤーコンサートです。

ウィーンフィルニューイヤーコンサートって何?

ウィーンフィル。正式名称ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団。クラシックの最高峰、男の城──って思ってたけどそれは昔の話で、最近は女性の演奏家さんもいらっしゃいます。
このウィーンフィルが、1939年から毎年新年を祝うマチネ(昼公演)コンサートを行っています。新年を祝うということで、ウィーンの楽友協会黄金のホールというとても美しい場所で、ウィーンに縁の深い美しく明るい曲が演奏されます。マチネはソワレ(夜公演)より格は下がりますが、その分気軽な位置づけを持っています。
とても歴史があって尊重される人気の高いコンサートですが、TVで聞く分にはとても気軽で楽しい、ぶっちゃけBGMにもってこいのクラシックコンサートなのです。


 ……詳しくは、Wikipediaウィーンフィル・ニューイヤーコンサート - Wikipediaなどをどうぞ。

何が楽しいの?

「クラシック難しそうだし」「長いしよくわかんないし」「眠くなるし」と敬遠されているあなた!
そんなあなたにこそちょっと聞いてみて欲しいのがこのコンサートです。
なにしろ、演奏する曲はほぼ、ワルツやポルカ。その名手とよばれた、ウィーンが誇るヨハン・シュトラウス親子の作品が中心です。
このワルツやポルカは、宮廷や貴族のサロンのために作られた曲。
つまり、パーティや社交のあつまりのための、邪魔にならない、明るくて楽しい、BGMやダンス音楽みたいなものです!(注:みねちの極論ですが!)
つまり、クラシックと言ってまず想像される”交響曲(シンフォニー)”のように、長くもないし、難しく考える必要もない。かしこまって聞く必要はありません。
音楽の響きの美しさをただ楽しめばそれでいいのです。楽しんだあげくにうたた寝してもどうせ自宅のおこたの中、だれも咎めやしません。(正直、クラシックの響きの中のうたた寝は至上の眠りだと私は思ってます。)

そして、その、”音楽の響きの美しさ”は──世界最高のウィーンフィル、太鼓判モノです!!

ちょっと追加:2010年にこそ特にお勧めする理由

特にクラシック初めての方に今年こそ、とおすすめしたい理由が、実は、指揮者のジョルジュ・プレートル氏にあります。1924年生まれなので既に85歳、ニューイヤーコンサート指揮者史上最高年齢の記録を、2年前に引き続き塗り替えられます。
この、にこにこおんじ(失礼!)がとてもチャーミングなのです。まさに笑顔が素敵な愛嬌のあるおじいちゃん。
指揮の最中、あまり棒を振っていなかったり、振っていても小さく唇を動かして歌っていたり。
満開の笑顔と、ラテン系のお茶目さ、フランス人の優雅さで、見ている人をなんとなく幸せにする不思議な指揮者。
2008年のニューイヤーコンサートに指揮者として登場し、我が家を一発で釘付けにしたその魅力は、
なんといっても、「音楽への愛」が、その全身の表情から伝わってくることなのではないでしょうか?
それに彼の作り上げる音楽が、実に軽やかで優雅で華やかで、この新年を祝うコンサートにぴったり。
ぜひ、2010年こそ、ウィーンフィルニューイヤーコンサートを聴いてみて欲しいと思います。

おすすめの楽しみ方は?

みねちの口車(違)にのって、「じゃあちょっと見てみようかな」と思ったあなたへのおすすめの楽しみ方、ですが。
ぶっちゃけ、BGMがわりにだらだらと。これにつきます。
なにしろ散々繰り返しているように、明るくて綺麗で耳に心地よい曲ばかりです。貴族だって昔は、これをバックにゲージュツロンやらコイバナやら政治やらいろいろしていたのです。……たぶん。
おせちをおつまみにお酒を呑んだり、呑めない人はお好みの飲み物や食べ物をいただいたりしながら。
家族や恋人や友人と雑談しながら。
後半に楽団員や指揮者が仕込む小ネタ、演出がときどき微妙と噂のバレエ、開始前や幕間に入る日本のスタジオでのぬるいトーク
そういうツッコミ処満載のアレコレにいろいろツッコみながら。
楽団員や観客の中から、イケメンや美人やシルバーグレイといった好みの人を探しながら。あるいはファッションをあーだこーだいいながら。
聞いてるうちにクラシックに興味がわいてきたら、Twitterや某2chの実況スレでクラオタさんたちの解説を見ながら。(某2chの本スレは進行が早いのでまたーりスレあたりがおすすめ。基本的に荒れませんが、某2chに行ったことない人はやめましょう)
アンコール最後の「ラデツキー行進曲」で、世界中の人たちと一緒に拍手しながら!



俗っぽくていいんです。
のんびりだらだら、「やることないなー、暇だなー」といいながらも、
普段とは違う華やかな音楽がそこにあるだけで、ちょっと贅沢な”暇”になってるはずです。


さあ、2010年1月1日の夜は、一緒にNHK教育を見てのんびり新しい年を祝おうではありませんか!



2010/01/01追記
有り難いことに2件もTBをいただきました。本当にありがとうございます。
ラデツキー行進曲聞き比べ - (旧姓)タケルンバ卿日記避難所
「リアリズムと防衛を学ぶ」の09年お勧めエントリ総まとめ - リアリズムと防衛ブログ
ウィーンフィル・ニューイヤーもっと広まるといいなー。楽しいから。


というわけで、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
一緒にラデツキーで拍手しましょ!