みねちんにっき(仮)

はてダにあった日記を移動しました(仮)

最近買った漫画

この夏くらいからで。一部mixiから加筆転載。

牧神の午後 (MFコミックス ダ・ヴィンチシリーズ)

牧神の午後 (MFコミックス ダ・ヴィンチシリーズ)

 ニジンスキーの生涯についての中編に、あとその他もろもろのバレエ漫画をあつめたもの。
 羽根を持って生まれた者には腕がない、幸せな生活を紡ぐための……というのは、至言だなぁ……せつない。
 人として幸せな方がいいのか。
 世界にも、歴史にも、人の心にも残る芸術家であることが幸せなのか。

この度は御愁傷様です (モーニング KC)

この度は御愁傷様です (モーニング KC)

 じじばばコメディの第一人者「拝み屋横町顛末記」の人の、遺産を巡る連作漫画。1巻完結。
 相変わらずなんつーか、子供レベルなくだらない争いが繰り返されてまして、それがすっごくばかばかしいのに妙にほのぼので、力が抜けていい感じです。
 コメディ好きで読んだことない人お勧めでっせ。「拝み屋〜」は現在10巻という巻数故にとっつきにくいと思われたら、是非こちらでお試しを。

フィラメント~漆原友紀作品集~ (アフタヌーンKC)

フィラメント~漆原友紀作品集~ (アフタヌーンKC)

 「蟲師」の人の短編集。そういやアフタヌーンではいちおう終幕と相成りましたな>蟲師
 漆原友紀名義になる前の、アフタヌーンより前の作品も収録されているので、なるほどこういう作風だったのかと感慨。最近書かれた短編、「蟲師」の原型となった作品、各々数ページという幻想的な掌編など。
 どれもこれも、死の匂いが強烈でした。なるほど、こうしてあのむせかえるような命の匂いのする「蟲師」は出来てきたのかなぁ、等と感慨。

  • 臨死!!江古田ちゃん 瀧沢ユカリ

臨死!!江古田ちゃん(3) (アフタヌーンKC)

臨死!!江古田ちゃん(3) (アフタヌーンKC)

 今アフタヌーンで一番楽しみにしてる漫画かもしれない。
 家では全裸で暮らし、好きな男には2番目の都合のいい女、24歳江古田ちゃんのえぐるような右フック炸裂(イミフメイですみねち)の4コマ漫画。ある意味だめんずうぉ〜か〜だけど何よりまず江古田ちゃん自身がダメ。男友達とうっかり寝ちゃうのが悪い癖、なのにどうしてこう非モテ感が漂うんだろう。猛禽に持ってかれっぱなしとか!
 江古田ちゃんのダメっぷりに笑っているつもりが何故か、ぐっっっっっさりと我が身に刺さるあたりもイイ、です。20歳以上の女子にお勧め。男性には読んで欲しいような欲しくないようなw

理系の人々

理系の人々

 女子は理系と異性(だったかな)あたりを読んでおくといろいろと心構えできていい。でさぁ、これって理系男子の話だっつーのにどーしてときどき自分にあてはまるっておもっちゃうのよ。あたし文系よ。……まあ、学科とか今の仕事とか、理屈っぽいよなとは思うけどorz

 ドラマが、私のこよなく愛する國村準さん&ちりとてちん貫地谷しほりという組み合わせだったので、という逆流組。
 和菓子職人としての成長が中心になる漫画と、和菓子のある浅草物語だったドラマの違いはあるけれど、これはこれで。和菓子のうんちくとかも好き。主人公の出生のなんとかも、どちらかというとそれを黙っていなければならない側の切なさが中心の描写なので、それほど鼻につかずによかった。貴種流離譚は、なぁ、という価値観故。連載中。おっさん向きであることは否めない。予定調和ではあるし。

午後のお茶は妖精の国で (Feelコミックスファンタジー)

午後のお茶は妖精の国で (Feelコミックスファンタジー)

 遠藤淑子については先日の「狼には気をつけて」文庫版 - みねちんにっきを見てもらうとして。
 新シリーズらしい。最初の2話は”妖精”というキーワードこそ重なるものの別のストーリー。このなかの、貴族の跡目争いの話がちょっと切なかった。後半は連載で、まだこの段階では何とも言い難いかな……一時期の「狼〜」みたいなシビアな感じは失せている印象なので、気楽に楽しむコメディくらいかな。

Q.E.D.証明終了(30) (講談社コミックス月刊マガジン)

Q.E.D.証明終了(30) (講談社コミックス月刊マガジン)

 はっやいなー、「Q.E.D.」開始から10年たちましたかぐは(吐血)。昔は絵が下手だなぁと思っていたけど、さすがに見られるようになったなぁ、とか。燈馬君もだいぶ人間らしくなったなぁ、とか。初期の、本気で人間的感情表現の薄かった燈馬君が少し懐かしいw ある意味ガリレオより前?まあ、こういう探偵役はホームズ以来の伝統なのだけれど。
 「Q.E.D.」は中編が2本。それぞれ事件をじっくり描いて読みやすかった。可奈ちゃんとのコンビもツーカーで安定。人形に対する幻惑の話が面白かった。あと、後半のコンゲームで、最後きちっと詰めたところも。
 「C.M.B.」は短編が4本。どっちかというとC.M.B.の方が中編向きな素材かと思っているし「櫛野村綺譚」は素材として面白いんだけどページが短く詰め込みになって話がわかりにくいように見受けて、ちょっと残念。でも「一億三千万人の被害者」はシリアスが効いて感慨。実験の話も少し怖ろしかった。
 ……とおもったらもう「Q.E.D.」の31巻が出るらしい……遅れすぎだみねちorz

海街diary 1 蝉時雨のやむ頃

海街diary 1 蝉時雨のやむ頃

 いずれきっちり書きたいその1。
 吉田秋生と言えば「BANANA FISH」だの「YASHA」だの「イブの眠り」だの「吉祥天女」だのといったハードな作品が頭に浮かびますけれど。「河よりも長くゆるやかに」とか「夢見る頃を過ぎても」とかの日常もの(「河よりも〜」は米軍基地の街の話だのが入ってそう日常でもなかったかもですが)も好きだったので、こういう作品は本当に嬉しい。
 前作となる「ラヴァーズ・キス」の登場人物が出てきているけれど、なんというか……すれちがっていく人生という感じで少し切なかったな。で本作は、鎌倉に暮らす4姉妹の、それぞれの恋や友達や親兄弟との関わりや……生きること、生活すること、そしてそれにどうしてもまとわりつく、どこにでもある悩みとかしがらみを繊細に優しく丁寧に描いていて、ああ、こういうしっとりした作品を描くのねこの人は、とあらためて感慨に耽ったりしたのです。
 少女漫画でもない、レディスでもない、読む対象を絞らない作品。

おひとり様物語(1) (ワイドKC)

おひとり様物語(1) (ワイドKC)

 いずれきっちり書きたいその2。
 ささやかで繊細、失恋話でもどこか元気になるというラブストーリーの名手。少女漫画ここに在り(いまはレディス誌や青年誌が主だけどね)。
 「おひとり様物語」は20代後半女性でこういう優しい作品が嫌いじゃなければとりあえず読んどけと力説。16ページの掌編ながら、ひとりひとりの”おひとり様”たちが一生懸命に生きて悩んででもそれを乗り越えている様が胸に染みる。
 今回読んだ中で一番印象深かったのは「積極」。大学の老教授に思いを寄せる女の子の、どうしても曲げられないその気持ちが泣けた。その子だけでなく、それぞれが曲げられなくて、すれ違ってゆく、その切なさ。
 少女漫画、といったけれど男性にもファンが多いので、抵抗がなければ是非に。